【奈良県】爽快な草原のススキの名所や、古刹の紅葉を巡る旅

奈良県の東北端に位置する曽爾村。自然豊かな室生赤目青山国定公園内に広がる曽爾高原は、ススキの群生地として有名です。四季折々の見どころがあるなかでも特におすすめは、黄金色の穂がそよぐ秋。10月下旬〜11月中旬に見ごろを迎え、曽爾高原の秋の風物詩としてお馴染みです。

倶留尊山（くろそやま）と亀山を結ぶ西麓に広がる約40ヘクタールの曽爾高原では、9月ごろから11月ごろにかけて、ススキの穂が白銀色から黄金色へと変化。太陽の光を受けて爽やかに輝く昼間も、茜色の夕日が神秘的に照らし出す夕暮れ時も、それぞれに趣深い光景です。

毎年2月ごろに山焼きが行われたあと、春から夏にかけては爽快感あふれる緑の草原へと姿を変えます。中腹の「お亀池」周辺では、希少な湿原生物の観察も可能。麓には日帰り温泉やファームガーデンなどがあり、高原リゾートとして人気です。

824（天長元)年に空海が開いたと伝わる古刹で、本尊の阿弥陀三尊像は玉眼を使用した仏像としては日本最古です。毎年10月23日～11月30日には、幅約11mの大地獄絵（狩野山楽筆）が開帳され、住職による絵解き説法も実施（説法は土日祝の13：00～※平日は要問合せ）。さらに秋が深まる11月中旬〜下旬は、カエデやモミジの紅葉が高低差のある境内を美しく染め上げます。

創建当初から残る建築物の鐘楼門をはじめ、檜皮葺きの旧地蔵院や、飛地境内にある五智堂など重要文化財が随所に。春の参道を彩る約1,000株ものツツジの生垣や、本堂前の池に咲く初夏のカキツバタも風情たっぷりです。

かつて四十八ヶ坊あった塔頭のうち唯一残る旧地蔵院（現・庫裏）では、石組を亀に、松を鶴に見立てた風流な庭園や、白い象に乗った普賢延命菩薩が見学可能。ほかにも、平安時代に作られた多聞天・増長天や、山々と調和する数多くの石仏も見どころです。

さまざまな動物に出会える入園無料の都市公園です。やぎや羊、ポニー、牛などが暮らす「ふれあい広場」では、動物の生態を間近で観察できるイベントを随時開催。なかでも注目は、毎日4回実施する「やぎの橋わたり」（写真）。飼育員のかけ声のもと、高所が得意なやぎ達が次々と橋を渡る様子に歓声が上がります。

ほかにも、やぎ・羊のえさやりや、ポニーとの撮影、うさぎやモルモットの見学など、ふれあい体験が充実。パーク内には犬・猫の飼育相談や譲渡を行う「動物愛護センター」を併設し、命の大切さについても学ぶことができます。

噴水池がある自然生態園を散策できるほか、滑り台やシーソーなどの遊具も設置。展望広場にある2本のロングスライダー（全長52mと全長43m）も人気です。季節の催しも不定期開催されており、11月には絵画コンクールや、奈良県東部地域等の食のイベント「うだ・アニマルパークのぱくぱくパーク2023」などが行われます。