陶芸体験や作品鑑賞を通して、丹波立杭焼の魅力にどっぷり

平安時代の発祥とされる丹波立杭焼をテーマに、見て、体験して、購入できる総合文化施設です。鎌倉〜江戸時代の古丹波の名品から現代作家の最新作までを展示する「伝産会館」では、緑青色をした自然釉や燃えるような赤土部釉など、独特の魅力を堪能することができます。

作品を鑑賞したら予約不要の「陶芸教室」（有料）に挑戦を。常駐スタッフの指導のもと粘土細工や絵付けを体験でき、旅の思い出にぴったり。約50軒もの窯元ごとに個性ある作品がずらりと並ぶ、「窯元横丁」でのショッピングも楽しいひとときです。

併せて訪れたいのが、施設から歩いて5分ほどの、現存する丹波立杭焼の「最古の登窯」。山の勾配に沿って築かれた全長47mもの登窯は、やきものの里を象徴する風格ある佇まいです。

ずっと長く使い続けたい、暮らしを豊かにする雑貨たち

篠山の風土に惹かれて移住した、小菅庸喜さん・上林絵里奈さん夫妻が営むギャラリーショップ。緑に囲まれた建物は元穀物倉庫とあって高い天井が印象的です。扱うのは、商品の魅力はもちろん、作り手一人一人の想いや繋がりを大切に全国から厳選した品々。夫妻それぞれの感性が光る器や洋服、本、食品、道具類などが並びます。

市内在住の福井守さんによる素朴な木のオブジェや、手紡ぎと植物染めの風合いが素敵な小川陽子さんの丹波布など、地元作家が手がける作品も。日常の中にあることで、じわじわと豊かさを感じさせてくれるものばかりです。

時折聞こえてくる鳥のさえずりをBGMに、購入前に早くも愛着が湧くような丁寧な商品説明も魅力です。この夏からは入口横に焙煎室を併設し、自家焙煎コーヒー豆の販売も開始されるそう。今後のさらなる進化に期待が高まります。

国の登録有形文化財をカフェとして開放。老舗の黒豆茶を篠山スイーツと共に

1734（享保19）年創業の黒豆の老舗「小田垣商店」が2021年4月にリニューアル。10棟の国登録有形文化財のうち5棟の改修を、現代美術作家・杉本博司氏と建築家・榊田倫之氏による新素材研究所が手がけ、新たにカフェをオープンしました。カフェ店内から眺める石庭「豆道」は今回の改修の大きな見どころです。 設計：新素材研究所／杉本博司＋榊田倫之

ぜひ味わいたいのが、黒豆きなこのソフトクリームパフェ（¥1,000・左）や、ODAGAKI モンブラン（¥1,200・右）など、上質な特産品をちりばめた絶品スイーツ。丹波篠山牛の自家製ローストビーフオープンサンドイッチ（¥1,700）などのフードもおすすめです。

本店ショップでは、定番の黒豆やお菓子などを販売。古い手水鉢に黒豆がずらりと並ぶ様子は、歴史ある文化財の建物とマッチし、風情を醸し出しています。黒豆茶や菓子類はリニューアルを機にパッケージもお洒落に統一され、センス溢れる篠山みやげとして喜ばれそうです。