歴史ある瀬戸内海の港町を散策

広島県福山市、瀬戸内海の中央、沼隈（ぬまくま）半島の先端に位置する港町。「潮待ちの港」として栄えた町には、江戸時代の雰囲気を残した常夜燈や寺社・町家が今なお大切に保存されています。また、坂本龍馬が属していた海援隊が借用していた船「いろは丸」を、鞆の浦沖で沈没させられた「いろは丸事件」でも知られる歴史ある町です。

江戸時代の港設備である常夜燈、雁木（がんぎ）などがほぼ完全な形で残っているのは全国でも鞆港だけだそう。風光明媚な町並みは、ロケ地として選ばれることも。地図を片手に観光スポットやロケ地を巡り、思い思いに散策を楽しんで。

福禅寺の本堂の隣に客殿として建立された對潮楼もおすすめ。かつてここを訪れた朝鮮通信使が、「日東第一形勝（対馬から江戸までの間で一番美しい景勝地）」と称賛した美しい眺望を楽しめます。仙酔島、弁天島を望める景色はまるで一幅の絵のようです。

築城400年！リニューアルでより楽しく、より学べる城へ

福山城は、徳川家康の従兄弟である初代藩主、水野勝成によって1622(元和8)年に築かれました。現在は公園として整備され、天守はもちろん、国の重要文化財にも指定されている門や櫓を目にすることができます。また城内は、福山城博物館として、歴史的な資料が展示され、福山の歴史を学べる施設になっています。

2022年8月、築城400年を記念して行われたリニューアルでは、福山の歴史を体感できる大型スクリーン3面を備えた「福山城シアター」が登場。水野勝成の町作りなどをテーマとした迫力満点で没入感のある映像を見ることができます。

水野勝成の活躍を体験できるコンテンツや、クイズコーナーもあり、見て、体験して、福山の歴史を学べます。また、夜間にはライトアップが行われ、幻想的な雰囲気に。ライトアップは日没～24時までの開催。

リニューアルした展望台から尾道の景色を満喫

標高144.2mの千光寺山の中腹に広がる、尾道観光の定番スポット千光寺公園。2022年に頂上展望台がリニューアルし、視点場（展望台）も新たに誕生するなど、絶景が楽しめるスポットとして注目を集めています。また夜になれば、夜景100選にも選定された尾道水道周辺の夜景が目の前に広がります。

2022年3月にリニューアルオープンした頂上展望台「PEAK」。かつての展望台を思わせる螺旋階段に陸橋のような横長の展望デッキがつながった特徴的なデザインです。全長63mの展望デッキからは日本遺産にも登録された町並みと共に瀬戸内海の島々を眺められます。

公園内にあった博物館「尾道城」が老朽化で解体されることに。その跡地に生まれたのが「MiTeMi」です。かつて城の土台だった石垣や、入口、階段などはそのまま活かされつつ、新たに作られた展望デッキからは尾道市内を一望できます。