⻄(24)の
“すぐれもの”
名店のカレーが蘇る。ファンと繋いだ50年の歴史
神戸の旧居留地で50年以上愛されながらも、コロナ禍により惜しまれつつ閉店した食堂「キッチンプチット」。しかし、常連客からの熱い声を通じ、名物の牛すじカレーがレトルト商品「神戸旧居留地50年カレー」として奇跡の復活を遂げました。工場との緻密な調整を経て再現された絶妙な甘辛さと具材のゴロゴロ感は、食べる人を虜に。伝統の味を未来へ繋ぐ情熱に迫ります。
レトロモダンな街で生まれた、名物食堂で愛されるカレー
憧れの旧居留地で開業。ビジネスマンの胃袋を支えた味
1969年、神戸の旧居留地にある朝日ビルディングの地下食堂街で「キッチンプチット」は誕生しました。食堂を営むことが夢だった創業者である財部紀久子さんが、レトロモダンで憧れの街だったこの場所を選んで開業したのが始まりです。
当時は日本が活気に満ちていた高度経済成長期。ビジネスの中心地だったこともあり、お店には証券会社や銀行などで働く多くのビジネスマンが訪れました。昼食と夕食の両方でお店を利用する常連客も珍しくなかったそうです。
常連客の胃袋を日々支え、特に愛され続けたのが名物の「牛すじカレー」でした。お店の看板メニューとして、50年以上にわたり港町・神戸で歴史を刻んできました。
コロナ禍による閉店と、奇跡の復活劇
常連客の声が後押し。クラウドファンディングでの挑戦
阪神・淡路大震災の被害でお店が全壊。店舗の場所を移し震災を乗り越えてきた「キッチンプチット」でしたが、2020年にはコロナ禍により大きな打撃を受けました。先行きが見えない不安や創業者の高齢化もあり、断腸の想いで50年続くお店を畳む決断を下しました。
しかし、閉店を惜しむ常連客から「なんとかお店を続けてほしい」「思い出の味を残してほしい」という熱い声が寄せられました。その声に後押しされ、名物「牛すじカレー」をレトルト化して世に残すという新たな挑戦へ。
クラウドファンディングを実施すると、常連の皆さまを中心に目標の20万円をわずか1週間で達成。そこから、「キッチンプチット」を知らない方々にも広がり、最終的には計120万円もの支援が集まりました。お店を愛する人々の想いが、レトルトカレーとして復活する道を拓いたのです。
実店舗のボリュームと美味しさを限界まで再現
絶妙な甘辛さと、35gの牛すじが織りなす究極のバランス
キッチンプチットの牛すじカレーの最大の特徴は、甘すぎず辛すぎない絶妙なバランスです。創業当時としては珍しかった「牛すじ」の旨味と、ブランド食材である淡路島産玉ねぎの甘みが調和し、奥深い味わいを生み出しています。(右:創業者である母の想いをつなぐ 財部 賢一 さん、左:ベル食品工業株式会社 営業本部 本社営業部 課長 江藤 啓司 さん)
キッチンプチットの味をレトルトで再現するため、製造元のベル食品工業と何度も微調整を重ねました。「リンゴ・バナナピューレ」の甘みと香辛料の辛さを調整し、本来の味を極限まで再現した欧風カレーです。レトルト特有の匂いを感じさせないカレーの香り高さも特徴です。
さらにこだわったのが具材のゴロゴロ感です。工場での製造限界の具材量のカレーであり、1食に35gの牛すじ肉を使用しています。当時のお店の満足感をそのまま伝えたいという強い想いが込められています。
テレビで全国に知れ渡り、専門家も認める味に
メディアの反響で注文殺到。全国へと広がる神戸の味
復活した「神戸旧居留地50年カレー」は、専門家からも高く評価されています。テレビ番組でも紹介され、有名カレーブロガーからも「他にはない開けた時に広がる強い香りがある」と絶賛されました。
テレビ放送の反響はすさまじく、放送開始からわずか数分で200件以上の注文が入り、用意していた約3,000個の在庫が数日で完売するほどでした。この反響を機に、大都市圏だけでなく全国からの注文が急増しました。
現在はオンラインショップのほか、百貨店でのイベント販売などでも人気を集めています。お盆や正月の帰省時に「神戸らしいお土産」としてまとめ買いする方も多く、古き良き神戸の味として広く愛されています。
家族みんなで楽しめるカレーと、世界へ向けた展望
アレンジで広がる楽しみと、未来へ続く新たな挑戦
小学生のお子さまでも美味しく食べられる辛さに仕上がっていますが、少し甘くしたい方には「いちごジャム」や「ブルーベリージャム」を少しずつ混ぜるのがおすすめです。コクと香りが増し、違った美味しさを楽しめます。
各オンラインショップだけでなく、百貨店などの店頭でもイベント販売を行っています。今後は日本全国のより多くの方へこの味を届けるとともに、香港の店舗を通じて世界へも「神戸旧居留地50年カレー」の魅力を発信していく予定です。
惜しまれながら一度は幕を下ろした名店の味が、常連客との絆と作り手の情熱によって奇跡の復活を遂げました。50年の歴史と多くの人々の想いが詰まったドラマチックな一皿。神戸の伝統の味を、ぜひ皆さまの食卓でご賞味ください。
Information
- スポット名
- キッチンプチット
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区八幡通4-2-9 フラワーロードビル402 ロコ・フィールド内
- 営業時間
- オンラインショップにて販売
- 定休日
- なし
- 電話番号
- 06-6432-7008
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