神社から海へと続く、地中海さながらの小道を散策

鳥居越しに播磨灘を望む伊和都比売（いわつひめ）神社から海へと続く坂道。カフェやジェラテリア、レストラン、ガラス工房などのお店が並ぶ石畳の小道を30mほど歩くと、目の前にはきらきらと美しい瀬戸内海が広がります。季節や時間帯で変わる海辺の風景を楽しみながら、地中海さながらの絶景を堪能しましょう。

イタリア・ナポリの風景をイメージした、美しいタイル張りの石畳です。足元をよく見ると、ハート型の石を発見。地元の義士である赤穂四十七士にちなみ（四+七＝11）、11個のハート型の石がちりばめられています。

近くには、赤穂義士の大石内蔵助にゆかりのある「大石名残の松」や、干潮時に歩いて渡ることができる「たたみ岩」などの名所も。波音をBGMに、海の向こうの家島諸島や小豆島を眺めながらのんびりと過ごせます。

世界遺産登録30周年を迎え、盛り上がりを見せる国宝姫路城へ！

2023年に世界遺産登録30周年を迎えた国宝姫路城。勇壮な大天守と3つの小天守による「連立式天守」や、白漆喰の城壁がそびえる優美な姿から、別名「白鷺城」とも呼ばれています。希少な現存天守を含む8棟の国宝と74棟もの重要文化財を擁し、日本の城郭としては唯一、単独で世界遺産に登録されています。

二の丸と三の丸を隔てる城内最大の門「菱の門」（写真）は、木彫りの菱の紋と優雅な火灯窓が特徴。門をくぐり、迷路のように入り組んだ城内道を歩きながら、鉄砲狭間や石落とし、扇の勾配の石垣といった、戦いや防御を意識した仕掛けを見学しましょう。

2023年3月よりスタートした「彩雲ライトアップ」。世界的照明デザイナーの石井幹子氏設計・監修のもと、姫路城の白漆喰が美しく彩られます。2024年2月1日（木）～2月29日（木）の「世界遺産・国宝姫路城　冬の特別公開」では、地上3階・地下2階の「西小天守」内部が特別公開されるのでお見逃しなく。

ロープウェイがいざなう、西国三十三観音霊場の山上寺院

平安時代の966（康保3）年に性空上人によって開かれた天台宗の古寺で、その格式の高さから「西の比叡山」と呼ばれています。標高371mの山上に位置する境内へはロープウェイを利用しましょう。ロープウェイ山上駅から本堂の「摩尼殿」まではマイクロバス（有料）が運行。岩山の中腹に立つ舞台造りの「摩尼殿」は壮観です。

「摩尼殿」より樹齢約700年、高さ約35mもの巨大スギの前を通り、「大講堂」「食堂」「常行堂」がコの字型に並ぶ「三之堂」へ。いずれも国の重要文化財で、「大講堂」には本尊の釈迦三尊像と四天王像を安置、「食堂」には寺宝を展示しています。さらに歩くと、性空上人を祀る「開山堂」や「護法堂」が立つ奥之院があります。

写経や坐禅などの道場も実施。写経体験では、本格的な般若心経や延命十句観音経ほか、所要時間約10分の手軽な花びら写経（写真）で精神統一ができます。広い境内には茶屋や展望台などもあるので、自然豊かな参道の四季を楽しみながらゆっくりと参拝するのがおすすめです。